四谷アート・ステュディウムの最大の特徴は、社会に実際に結びついたアクチュアルな生産の現場が、そのまま学習の場となっていることです。学生は文化の第一線の活動に立ち会い、そこで実際に通用するメチエを磨くことができます。カリキュラムは「WORKSHOP」を中心に、「SKILL」「THEORY」の3つの要素によって構成されています。

WORKSHOP

カリキュラムの柱は、ワークショップです。ワークショップはそれぞれ、
基礎となる表現メチエの区分、スキル別に、以下の7つにコース分けされています。

岡崎乾二郎ゼミ 基礎FR-11
岡崎乾二郎ゼミ 自由応用FR-12
アヴァンギャルドのための絵本講座FR-21
Musique Non StopゼミMO-11
編集オルタナティヴ講座MO-21
芸術家=未知との遭遇ゼミSA-12a
山崎広太 身体/言語ゼミZ-1

それぞれのカリキュラムには、基礎スキルの習得課程とともに、
スキルを実践的に組み立てる応用能力、方法論の習得課程が組み込まれています。

どのワークショップのカリキュラムも、併設ギャラリーOBJECTIVE CORRELATIVEでの展覧会や、出版物、CD、WEBなどの媒体を通し、その成果を社会へ「出力+発表」することを前提にしています。そして、それぞれのカリキュラムはそうした場面において互いに連携するよう組み立てられています。
よって、基本的なスキル習得および柔軟性を確保するためにも、複数の講座を受講することが望まれます。

SKILL

作品を制作し、社会に流通させるために欠かすことのできない
基本技能をマスターする講座。
各方面のプロフェッショナルとの連携を見据えた実用的な講義となります。
制作ワークショップと連動しています。

それぞれのワークショップは、他言語圏の参加者との恊働作業も射程においています。
English Inter-ActiveWE-21講座は、
コミュニケーション・ツールとして英語をマスターし、使いこなすことを目的としています。多彩な海外のゲスト・アーティストとのディスカッションを含む、通常の語学講座を超えた実践的かつ実質的な議論を修練します。

それぞれのワークショップ参加者は展覧会、イベント開催時を含めて、印刷物制作、WEBでの発信が必須事項です。実践的に有効なメディア構築に向けて
DTPデザイン講座TU-21
受講が求められます。(この講座は「編集オルタナティヴ講座」と組み合わせて受講することで、さらに高度かつ有効なカリキュラムとなるべく構成されています)。

建築発明工作ゼミSA-11では、
事物を構築=工作する技術の習得を目指します。
いかなる環境、状況にあっても工作しつづけるサヴァイヴァル術を学びます。

THEORY

企画、生産の現場を客観的に分析し、広い視点から正確にその位置を判断する能力を養うための講座として、
芸術理論ゼミSA-21
[岡崎乾二郎専任]
現代思想論SA-12b
[スガ秀実専任]
THEORY ROUNDTABLETH-21
[岡田温司、田中純(予定)、林道郎、松浦寿夫、石岡良治ほか]
があります。

上記講座のほかに
批評(創造)の現在シリーズ
[岡田利規、倉数茂、平倉圭、福永信、松井茂ほか]の
開講も予定しています。

以上、3つのカリキュラムは、すべてが連動することによって、社会に実際に通用しうる質を備えた生産が可能になるよう組み立てられています。受講に際して、各講座ごとに特別な規定がある場合がありますので、ご注意ください。

この他に、第一線で活躍するアーティスト、理論家を招聘して行なう特別公開講座が随時開催されます。(日程はWEBサイト上でお知らせします)。

合計72単位取得すると、「近畿大学 国際人文科学研究所コミュニティカレッジ」の修了証が発行されます。

また、四谷アート・ステュディウム在校生及び、過去に在籍経験のあるアーティストから作品を募集するコンペティション「マエストロ・グワント」(四谷アート・ステュディウム最優秀アーティスト賞)を年に一度開催します。優秀者は「マエストロ・グワント」を授与されるとともに、併設ギャラリーOBJECTIVE CORRELATIVEにて個展を開催します。
受賞者:2006年第1回 橋本聡、2007年第2回 中山雄一朗

keywords in Art Studium
アート(art)
artという語は近代に入り、芸術家(artist)と職人(artisan)が分離することでもっぱら「芸術」を指すようになったが、そもそも、この語の由来はギリシア語のテクネー(τεォχνη)、ラテン語のアルス(ars)に由来している。アート=アルス(ars)という語源には、人為的なあらゆる技術を自然による生成に対峙する独自な過程として捉える認識が刻みこまれている。
ステュディウム(studium)
ステュディウムとは、中世ヨーロッパにおける修道院附属の研究所の名称であった。古代の学術文化は途絶えることなく、むしろ、ここで維持され、洗練されていった。ルネサンスにおける文芸復興は、ステュディウムで研究されていた技術や知識によってこそ、はじめて可能になったのである。近代的な大学は、ここから派生したストゥディウム・ゲネラーレ(studium generale)を起源としており、ゲネラーレという語には、国家や民族の枠を超えた国際性がこめられていた。