臨機応変な制作を可能にする基礎メチエを鍛える「基礎」と、社会的な流通/交換システムをふまえ、より実際的に作家を育成する「自由応用」とがある。ジャンルを超えた総合的な判断力と応用力を養うのがこのゼミの特徴なので、岡﨑ゼミを受講する学生は他講座も受講することが望ましい。
スタート時は合同でゼミを行なう。その後、基礎/自由応用のクラス分けを行なう。
前-後期|金曜日|14:00−17:15|12単位|全48回|FR-11
講師|岡﨑乾二郎+木原進
一年間の講座を通し、現代の表現に必須の技術と思考力を構造的、かつ実践的に会得します。
それぞれ現代に不可避かつ緊急、重要な問題を主題とする、年間3つ(ないし4つ)プロジェクトを制作、発表。
問題を的確に把握する力と、対応する適切かつ効果的な表現技術を使いこなす力を養います。
- オリエンテーション。各主題に含まれる社会的、歴史的、文化的関係、造形的問題を、豊富な資料を参照し明快、精細に分析、解題、問題を見通す視野を獲得します。
- 制作。以上の内容を有効な表現として組み立てる方法論、手法と具体的な技術(大規模な展示や発表にたえうる)を会得する技術演習。(発注制作、共同制作演習なども含み、技術の調査と応用力までも習得)。
- 発表と講評。発表は付属ギャラリーほかで公開するほか。広く広報を行なうばかりでなく、発表までの過程と、さらに発表時には、外部から批評家、キュレーターを招き講評会を行ないます。
プロジェクト(各8回)
いま目撃している出来事、かって起こった事件、物語。
歴史的な出来事をどのように(いまここで起こっているかのように)表現するか。歴史や物語に含まれる時間を、作品でどのように現すか、語るか、という芸術の重要な主題の一つを、(展覧会での上映を前提とした)写真作品、映像作品(5分程度)として作り上げる。
絵本の前提は、前もって知識のない人にも(ゆえに、こどもでも理解できるように)、ものごとの成り立ち、世界の成り立ちを、つぎつぎと展開する画面の展開だけで、表現することにあります。ここで重要なのは キレのあるリズムです、論理的なリズム、知覚的なリズム、感覚の強度、強さ、魅力はこのキレ、切断とつなぎにかかっている。
絵本は、世界をもっとも明確で強い印象、場面、センテンスに分解することで、はじめてそれを見たときのような強い感覚を与え、またその分解された要素から、世界が再び組み立て直されている過程を経験させる力を持ちます。絵本のなかで世界(そこには悲しみも怒りも喜びもあきらめも元気も伴う)は、何度でも再生される。2つのステップで絵本を制作、最後には本として制作、頒布します。
STEP1
古典を再創造してみよう。
例 『不思議の国のアリス』『もじゃもじゃペーター』
STEP2
テーマ絵本をつくる。
例 バージニア・リーバートン『せいめいのれきし』福永信『こんにちは美術』谷川俊太郎『せんそうごっこ』
手強い才能と出会い、議論をし、技術と技術、アイデアとアイデアをつないで結果を出す。小説家、音楽家、哲学者などをゲストに招待し、議論を通してひとつの総合的な作品をつくりあげます。舞台、映画、庭園などとして発表、実現します。
前-後期|金曜日|14:00-17:15|12単位|全48回|FR-12
講師|岡﨑乾二郎+高嶋晋一
与えられた時空間内を動く(パスを受け渡す)だけのルーティンとしての技術ではなく、みずからが動く時空間までつくる能力を獲得する。様々な異質の技術を受け入れ、相互に結びつけアクティヴに連動する場面として、時間/空間秩序(作品)を組み立てる。密度ある相互批評と発表を繰り返し、主体的な判断力を鍛え、ギャラリーを使った展覧会やCD-ROM、DVD、WEBサイト制作など、生産物を社会に着地させ、流通させることまで含めた最終的な成果に結びつける決定力を養う。
【関連資料】
・四谷アート・ステュディウムでのワークショップを収録した「現代アート基礎演習」(岡﨑乾二郎監修)の抄録はこちら
・2009年度講義録はこちら
前-後期|金曜日(隔週)|18:30-21:30|6単位|全24回|FR-21
講師|ぱくきょんみ
ゲスト|藤富保男、高橋茅香子、藤枝守、姜信子、前嵩西一馬
わたしたちをわたしたちたらしめている世界の基層を掘り起こし、さらに断層までを見届ける鋭敏な感覚を養う講座である。詩、文学、翻訳文学、映像、音楽、民族文化という領野で、その先鋭さと強い意志によって未踏地を切り拓いてきた表現者たちを再考し、あるいは彼ら自身を招き、その圧倒的な存在感と創作のありかに迫る。
今年度は、語り継がれなかったものへの照射として、カタリツグことをテーマとする。
集中講座|6月9日[土]—12日[火] |18:30—21:30|2単位|全8回|Z-1
講師|山崎広太
「舞踏」を日本の形式化した伝統に対するアバンギャルドとして考える。例えば、自分自身の内側を見つめ、それを外側から見る。その二つの関係を、もう一つ引いて見るなかで、ムーブメントすることの選択はどこからくるものか考察する。身体を器として捉えたとき、それは、言葉、イメージ、動くことによって飛来する何ものか、足の裏、ただのタスク、神秘な間、気配などに由来するものなのかどうか?そして、そこに佇み、刻々と変化する身体の状態・時間を体験する。
一方、山崎がずっと関わっているアフリカ人、またはアフリカンダンスと舞踏との関連や、舞踏とランドスケープの関係、えも言われぬ衝動、武術、身体のバイブレーションとして発(声)することなどなど——舞踏のスタイルを習得するのではなく、その周辺を探ることでその本質を覗くことを目的とし、それを発展させる。もっとも大切なのは、それぞれに刻まれた身体の記憶として舞踏からの景色を考えること。舞踏を脱構築したものとしてのショーイングあり(6月16日[土]17:00−予定)。